09 明らかになった自然治癒力のメカニズム

脳と免疫系と内分泌系は三位―体

しかし、1980年頃から、この流れが変わつた。

今では、世界の一流研究者たちが、心が体の病気に深くかかわつていることを確認している。

そればかりか、脳(神経系)と免疫系と内分泌系の3者が密接にかかわつていることも判明した。

これを「三位一体」と呼ぼう。

すなわち、体に異変が起こると脳は、 神経伝達物質(単に伝達物質ともいう)を放出し、内分泌系(人体でホルモンを放出するシステムのこと)と免疫系に影響を与える。

内分泌系はホルモンを放出し、脳と免疫系に影響を与える。

免疫系は、サイトカインを放出し、脳と内分泌系に影響を与える。

こういうことだ。

かつて生命科学に革命をもたらし、 生命現象を分子レベルで細かくみていく分子生物学の技術と道具を用いることで、 それまでは独立に運営されているとばかり思われていた脳、免疫系、内分泌系という3つの系(システム)が、 実はコミュニケーションを密接にとることでヒトの生命を支えていることが判明したのである。

免疫系で生産されたサイトカインが脳に伝わることで、ヒトの心が変化する。

逆に、脳でつくられた伝達物質が内分泌系にはたらき、ホルモンの放出する程度を変化させる。

これが免疫系に伝わることで、免疫系の強さが変わる。

免疫系が弱まれば人体の防衛力が弱まり、病気にかかりやすくなる。

そしてもし免疫系が強まれば人体の防衛力が増し、病気から回復したり、健康を維持することができる。

結局、免疫系の強さは、わたしたちの心の持ち方や緊張の程度に大きく左右されている。

免疫系は赤血球や自血球などの組胞からできているから、免疫系と自然治癒力の強さは、 細胞の材料になったり、酵素をはたらかせるためのエネルギーになる栄養素が、どれだけ提供されているかによっても著しく変化する。

栄養状態が十分でなければ、免疫系は、本来の実力よりかなり低い能力しか発揮できないことになる。

また、栄養ばかりでなく、運動や休養が不十分でも、免疫系は持てる実力を出しきねない。

だから、心の持ち方、運動、休養、栄養、ユーモアと笑いは、わたしたちの健康に欠かすことのできない要因なのである。

ほとんどの病は、免疫力を高めて自然治癒力を強化すれば治ります。
そして、免疫の60%以上を占めるのが腸管免疫です。

この腸管免疫には、腸内で善玉菌が作る乳酸菌発酵エキスが大いに関与していることが判ってきました。

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免疫と自然治癒力のしくみ