14 三位一体でホメオスタシスを守る

生存できる体内環境を保つ

かぜをひいて発熱し、頭痛で苦しんでいた患者が、砂糖錠を飲んで急激に回復した。

プラス感情と希望を持つことで、がんが著しく縮小し、患者が快方に向かつた。

一方、絶望と落胆によつて、がんが拡大することは珍しくない。

先に述べたように、失望しただけで死亡してしまつた患者さえいる。

心の持ち方によつて免疫力は、かくも強まり、また弱くもなる。

脳と免疫系が強く関係していることは動かしがたい事実である。

では、その理由を考えてみよう。

毎日、わたしたちは朝に起きて昼間に仕事をし、夜に床について眠る。

こうして平凡な日々が過ぎていく。

だが、考えてみると、ヒトが生きているのは実に不思議なことである。

たとえば、冬に気温が零度近くに下がり、夏には40度近くまで上昇する。

また、激しい運動をしたり、肉体労働をすると数リットルの汗をかく。

だが、外の気温がどう変化しようと、体温は常に約36~37度に保たれている。

人体は熱に弱いから、体温が一定に保たれているのである。

たとえば、もし脳の温度が42度を超えて60分以上放置されると、脳の神経細胞が壊れてしまう。

もしそうなれば、脳ははたらかなくなつてしまう。

また、運動で汗を大量にかいても、血液、水分、塩分の濃度は常に一定に保たれている。

酸素の濃度、数百におよぶ脳や免疫系にかかわる化学物質の濃度も、人体では変わることはない。

もし仮に、これらが一定の狭い範囲を少しでも超えるならば、ヒトは生きてはいられない。

ヒトが生存できる体内環境はきわめて狭い。

この体内環境を常に一定の範囲内に保つことをホメオスタシス(homeostasis、恒常性)という。

「ホメオ」は「同じ」、「スタシス」は「一定の状態」という意味である。

ホメオスタシスを守ることは、ヒトが生きるための絶対条件である。

そのために、脳、免疫系、内分泌系は「三位一体」となってはたらいているのである。

内分泌系はおもに、視床下部、脳下垂体、副腎のことで、ホルモンをつくり、全身に分配している。

夜に床について眠くなるのは、脳の内部の松果体という器官でつくられ、血液中に放出されるメラトニンというホルモンのはたらきである。

メラトニンは、体温を下げ、眠気を起こす。

また、背を伸ばす成長ホルモン、血糖値を上げるグルカゴン、血糖値を下げるインスリンは、代表的なホルモンである。

ほとんどの病は、免疫力を高めて自然治癒力を強化すれば治ります。
そして、免疫の60%以上を占めるのが腸管免疫です。

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免疫と自然治癒力のしくみ