04 病院がもっとも危ない!

待ち合い室や診察室は病原体がいっばい

病気は自然治癒力で治るというなら、薬も手術も必要ないのかという疑間が湧いてくる。

答えは、たいてい、そのとおりである。

すなわち、たいていの病気は薬や手術がなくても自然に治るから、少しくらい具合が悪くなってもわざわざ病院に行く必要はない。

むしろ病院は、もっとも病気にかかりやすい危険地帯であるといえる。

なぜか。

そもそも病院は感染症などありとあらゆる病気を持つた患者という人々の集まるところである。

しかも患者は、病院の待ち合い室や診察室で咳やくしゃみをする。

その口から放出された病原体が、イスや手すりに付着していたり、空気中に浮遊している。

病院を訪れたあまり体調のよくない(免疫力が低下している)人が、汚染された空気を吸い込んだり、汚染されたイスや手すりにさわれば、そこから感染が始まる確率が高いのは、当然である。

SARS(重症急性呼吸器症候群)の感染拡大はこのことを示す好例である。

SARSは、はしかのウイルスによく似たSARSウイルスが、咳やくしやみによつてヒトの呼吸器に侵入することで広まる感染症である。

実は、SARS患者の7割以上が、病院内で感染し、感染者の大多数が医師や看護師といった医療従事者であった。

病院に行くことそれ自体は、専門家から治療行為を受けられるという利点がある。

しかしその反面、病気をもらう可能性のもつとも高い危険な行為でもあることを肝に銘じておいてほしい。

わたしが読者に切に望むことは、病院を訪ねることの利点と危険をはかりにかけて判断する、医療サービスの賢い消費者になつてほしいということである。

手術、投薬など医師による医療行為によって患者が被る病気を、医原病と呼んでいる。

病気を治そうとして病院を訪れるが、反対に病気をもらうとは、皮肉である。

だが、医原病や医療過誤はかなりの高率で発生している。

現在、わが国にはC型肝炎ウイルスのキャリアが約250万人いるが、彼らは、汚染された注射針の使い回しによる医原病被害の代表である。

1999年に旧厚生省は、肝臓がん患者を5万6000人と発表している。

このうちの80%はC型肝炎ウイルスが原因であるから、医原病はわが国でも深亥なのである。

医原病や医療過誤は、「臭い物にふた」をしがちなわが国ででは秘密にさねることが多い。

もちろんアメリカでも医原病や医療過誤の報告はあまり歓迎されないとはいえ、その実態が日本の病院よりも明らかになつている。

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2章

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免疫と自然治癒力のしくみ