03 笑いの少ない大人

1日平均大人は15回、子どもは400回笑う

今から約3000年前、イスラエルの王ソロモンは聖書のなかで「陽気な心は健康によく、 陰気な心は骨を枯らす」と語っている。

約200年前のイギリスの医師は、「健康のためには、ひとりのよい道化師が村にやってくるのが、 ロバ20頭分の薬よりも効果的だ」と述べた。

笑いが健康に重要であることは、昔から強く認識されていたのである。

子どもの頃、わたしたちは大人たちに笑うことをすすめられた。

よく遊んではジョークをいい、笑いころげた記憶がある。

大人は1日平均15回笑い、小さな子どもは1日に400回も笑うという。

どうりで、子どもが幸せなはずである!

しかし、そんな時代は長く続かなかった。

成長するにつれ、もしジョークをいったり、笑おうものなら、「ふざけないで」「いい年してなんですか」 「真剣にやりなさい」などと非難されるようになった。

社会人となってからはどうか。

仕事場、会議、葬式などでは、笑いがみられない。

仕事場での笑いは生産性の敵とされた。

会議や葬式でのユーモアや笑いは不謹慎とそしられた。

こうして子どもの頃に豊かだったユーモア感覚は薄れ、ついに枯渇したかのようである。

大人になったわたしたちは、今では、人生は深刻なもので、笑うのは軽薄さの証拠とさえ思っているのではないか。

そうだとすれば、わたしたちが笑わなくなったのもうなずける。

長い間、ユーモアと笑いは仕事の妨げと思われてきた。

だが、それは大きな誤解である。

それどころか、ユーモアと笑いは仕事の創造性を高める効果があることを力説しておきたい。

実は、創造性とユーモア感覚は同質のものなのだ。

創造性とユーモア感覚の本質は、みた目には全然異なる2つのことがらをつなげ、新しい関係を築くことである。

この点でどちらも同質なのである。

だから、ユーモア感覚を磨くことは、創造性を高めるすぐれた訓練法なのである。

ユーモア感覚を磨くにはジョークを考えるとよい。

ジョークを考えることのもう1つの利点は、自分を客観視しやすいことだ。

それまで一方の立場からだけものごとをみていたが、客観視できれば、 まったく別の見方をすることが可能になる。

こうして柔軟な発想が湧いてくる。

益田喜頓が、「視聴者に笑われるのではなく、笑わせているのだ」といったが、 これは創造的喜劇役者の至言である。

ユーモアと笑いは、創造性を高め、仕事の効率を上げ、逆境にもくじけない精神力を付ける。

そればかりか、自然治癒力を高めるから、病人はもちろん、健康人も病気の予防に積極的に取り入れていきたいものだ。

笑いを不謹慎や不真面目とする保守的で誤った文化そのものを、「ワッハッハ」と笑い飛ばしてしまえばいい。

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免疫と自然治癒力のしくみ