04② 重病を笑いで治す(2)

奇跡の回復に全米中の医師が注目

奇跡の回復から12年が過ぎた1976年、世界の医学界に衝撃が走った。

この年、カスンスが自らの体験の詳細を『ニューイングランド医学雑誌』という権威ある雑誌に発表したところ、 論文を読んだ約3000人の医師から、彼に問い合わせの手紙が殺到したのである。

彼は医学研究者としての実績は皆無であったが、ユーモアと笑いの健康への効果についての医学的な洞察はみごとなものであった。

問い合わせてきた医師たちは、カズンズの方法を彼らの患者の治療に役立てたいと真剣に思い、 彼に手紙を書いたのである。

彼は述べている。

「わたしが受け取った手紙でもっとも嬉しかったことは、重病の治療にあたって、多くの医師たちの態度が、新しい療法に以前よりは るかに寛容になってきていることであった」と。

ユーモアと笑いを治療に利用するという革命的概念は、カズンズという医学の素人によって提唱された。

カズンズは、病気に対する患者の精神状態が、生物学的な状態と健康に影響をおよぼすことを証明したのである。

そんな彼を高く評価した慧眼の人物が、 UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)の医学部長シャーマン・メリンコフである。

1978年、メリンコフは、彼を、医療人間学を担当する客員教授として同学部に招いた。

カズンズが特別に興味を持っていたのは、生きる目的、決意、愛、希望、信仰、生きる意志、 喜びなどの積極的な感情(プラス感情)と態度が人生にいかに大切かということである。

もし脳が病気の治癒に大事な役割を果たすなら、心のあり方を重病の治癒のために積極的に活用できるはずである。

心と体、心と病気がどうつながっているのか。

彼は、これを発見する大きな助けになるのが、新しく誕生した精神神経免疫学という学問であると固く信じていた。

カズンズはUCLA医学部でユーモア特別調査団を結成し、臨床研究をサポートして大活躍した。

そして1990年、75歳の生涯を閉じた。

彼の奇跡の回復から約40年が経過した今、ユーモアと笑いと健康の関係を追究するいくつもの研究が、 UCLAなどアメリカを代表する一流大学で進行中である。

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免疫と自然治癒力のしくみ