免疫と自然治癒力についてやさしく解説いたします。

02 慢性疲労に苦しむ日本人

5章 疲労・過労が自然治癒力を低下させる

02 慢性疲労に苦しむ日本人

労働時間は増え睡眠時間は減っている

新幹線の運転士が居眠り運転し、岡山駅でATC(自動列車制御装置)がはたらいて緊急停車した事故が発生した。

運転士は9分間熟睡しながら約30kmも新幹線を運転していたことも判明した。

また、バスやトラックの運転手の居眠り運転や過労運転が原因とみられる事故も多発している。

わが国では、5人に1人が日常生活に支障をきたすほど睡眠に問題をかかえ、9人に1人が睡眠薬を服用している。

しかも日本人の睡眠時間は減少し、労働時間は増加しているという。

シチズン時計が大都市圈に勤務する数百人のサラリ-マンを対象に調査したところ、 1980年に8時間36分であった勤務時間は20年後の2000年に9時間30分に増え、 一方、1980年に7時間1分であった睡眠時間は2000年には6時間8分に減少していた。

この20年間で大都市圈のサラリーマンの勤務時間は約1時間増え、逆に、睡眠時間は約1時間減ったのである。

労働時間の延長で、疲労は確実に増えたにもかかわらず、疲労を取り除く睡眠時間が減少した。

これでは疲労が解消されすに残るのでは、と心配だ。

この心配を裏づけたのは、厚生労働省が行なった疲労についての国民の実態調査である。

それによると、15歳から65歳までの男性では56.9%が、女性では61.0%が疲労を感じている。

そして疲労が6か月以上も続く慢性疲労者は、男性の36.9%、女性の34.7%に達していた。

電車のなかでウトウト気持ちよさそうに船を漕ぐ人をよくみかけるが、 男女を問わす日本人の多くが慢性疲労に陥っているという実態が浮かび上がってくる。

生きて活動すれば、体力を消耗し、脳の興奮性伝達物質を消費する。

この消耗と消費を伝える信号が疲労である。

疲労したままでは脳がうまくはたらかない。

そして、脳、免疫系、内分泌系の3者のバランスが崩れてしまう。

多くの日本人が慢性疲労に陥っている要因の1つは、昔と現代とでは疲労の内容が様変わりしたことである。

農耕社会の頃の労働者は体全体を使って作業していたため、疲労は全身性であった。

だが、現代の労働者は、肉体をあまり使わすに、脳ばかりを酷使しているから、疲労は局部的である。

このことはビジネスの現場をみればすぐにわかる。少し前までの職場では、書類の受け渡しなどで歩いたものである。

こうすることでイスから立ち上がり、足の運動ができ、血液の流れが促進されたが、 今ではイスに座ったままほとんどの作業ができる。

かつては手紙を投函するにも歩いていたが、今ではそれが大幅に減り、内容をファックスしたり、 電子メールで送信するだけで用が足りる。

一歩も動かないで作業ができるため、仕事の効率は格段に高まった。

その反面、疲労が局所に集まりやすくなった。

たとえば、パソコンを長時間使用することで頸、肩、腕に痛みやしびれが走る頸肩腕症候群や、 かすみ目、疲れ目、頭痛に苦しむ眼精疲労に陥る。

これなども局所疲労から全身に広がる新しいタイプの疲労である。

現代人の多くは、肉体的なエネルギーはあまり消費しないものの、長時間労働が日常化するといった、 重い精神的ストレスを受けながら生きている。








a:491 t:1 y:0

powered by Quick Homepage Maker 5.3
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional