免疫と自然治癒力についてやさしく解説いたします。

03 そもそもストレスって何?

4章 ストレスと自然治癒力の関係

03 そもそもストレスって何?

ストレッサーは大きく3種類に分けられる

免疫力と自然治癒力を低下させる最大の要因は、ストレスである。

「ストレス」という言葉は、日常的に使われているが、もともと物理や工学の分野で使われる用語である。

ストレスとは、ある物体に外から力が加わったとき、その物体に「ひすみ」が生じるということだ。

テニスボールを例にしてストレスを説明しよう。

テニスボールを手に持って強く押すと、凹む。

だが、凹んだボールは、その瞬間から元の球形にもどろうとする。

このようにボールが外力によって押された状態を「ストレス」という。

そして指で押す力を「ストレッサー」という。

このストレスとストレッサーの関係は、カナダの生理学者ハンス・セリ工によって医学分野に持ち込まれた。

つまり、こういうことだ。

ストレッサーが人体にやってくると、わたしたちの心身に「ひずみ」が発生する。

これを放置すれば、ストレッサーの重みで心身が押しつぶされてしまう。

押しつぶされないためには、ストレッサーを完全に取り除いて「ひすみ」を解消することだ。

これが最善の策である。

部屋が暑ければクーラーをつける、寒ければ暖房を入れる、疲れて眠かったら寝るなどが、この例である。

しかし、なかなか理想どおりにはいかないもので、現実の生活ではストレッサーを完全に取り除くことができない。

心身がひすみにうまく適応することが要求される。

この要求のことをストレス応答(ストレス)という。

ストレッサーは外から人体にやってくる刺激。

ストレッサーによって発生する心身のひすみへの適応が、ストレス応答(以後、ストレスとする)である。

これが厳密な定義だが、一般にはどちらもストレスと呼ぶことが多い。

ストレスがかかるとホメオスタシスに狂いが生じる。

体には、気分が落ち回込む、イライラする、発熱、頭痛、腹痛、下痢などの症状があらわれる。

たとえば、夏の暑い日に、前の晩の残り物をうっかり食べると腹痛と下痢に苦しむことがある。

食中毒である。

これは増殖したサルモネラ菌やブドウ球菌などの食中毒菌のしわざである。

だが、食中毒でなくても、腹痛が起こることがある。

親の転勤でニューヨ一クから東京に転校してきた時男(仮名)君は、 ストレスによって登校途中にお腹が痛くなり、トイレにかけこむ日が続いた。

学校で新しい級友とうまくなしめず、ストレスによって大腸の動きをコントロールする自律神経がバランスを崩し、 便秘と下痢を繰り返したためだ。

食中毒を起こした「食中毒菌」も、時男君のお腹を痛くした「転校」もストレッサーである。

人体にやってくるすべての刺激がストレッサーだが、大別すると、物理的なもの、生理的なもの、社会・心理的なものの3種類になる。

物理的なストレッサーには、温度、湿度、騒音などがある。

生理的なストレッサーには、断眠、疲労、感染、栄養不足、毒物、怪我などがある。

そして社会・心理的なストレッサーには、配偶者の死、離婚、経済不況、転校、転職などがある。

日常生活で経験する出来事がストレッサーとなり、心身にひずみが発生する。

このひずみに人体が適応するとき、免疫力が強まったり、弱まったりする。

この免疫系の変化と病気の関係を明らかにする学問が精神神経免疫学(Psycho NeUrolmmUnology=PNI)で、 生命科学の最先端を疾走している。






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