免疫と自然治癒力についてやさしく解説いたします。

04 もしも免疫がなかったら

3章 免疫系が人体を守る

04 もしも免疫がなかったら

もし免疫系のはたらきが極端に低かったら、感染症やがんにかかってしまう

エイズ(ヒト免疫不全症候群)は、このことを如実に示している。

エイズは、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)が原因で起こる感染症である。

感染から数年がたった頃、体内で増殖したHIVが免疫系の司令塔であるT細胞を破壊する。

こうして免疫系がはたらかなくなる。

エイズ患者の多くは、カリニ肺炎とカポジ肉腫で死んでいく。

カリニ肺炎とは、動物やヒトにふつうにみられるカリニ原虫という寄生虫によって発生する病気である。

ふだんカリニ原虫は、免疫系に抑えられているため、わたしたちと平和的に共存しているが、 免疫系が極端に抑制されたことで、増殖して肺炎を起こすのである。

カポジ肉腫は、皮膚がんの一種で、皮膚の血管がむやみに増殖する病気である。

その発生は免疫力の低下した老人にごくまれにみられるだけである。

だから、HIVに感染しなくても、免疫抑制剤を服用すればカリニ原虫やカポジ肉腫に襲われることがあることも理解できる。

もし免疫系がなかったり、十分にはたらかなかったら、どこにでも存在する非病原性の微生物による攻撃を受けて病気になってしまうから、 手のほどこしようがない。

エイズの例からわかるように、わたしたちが重い感染症やがんにかからすに健康に生きていられるのは、 免疫系がしっかりはたらいてくれるおかげなのである。


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