免疫と自然治癒力についてやさしく解説いたします。

05

1章 脳・免疫系・内分泌系が支える自然治癒力

05 心の持ち方で自然治癒力が変わる

症状が劇的に改善するプラシニボ応答

自然治癒力のはたらくしくみはままだ不明な点が多い。

その謎を解く手がかりをみつけるために、次の3人に共通することがらを考えてみよう。

【かぜをひいたケンの場合】

ケンは、かぜが長引いたため、かかりつけの医師を訪問した。

この医師は、かぜはウイルスによる病気であるため、抗生物質が効かないことを熟知していた。

だが、やや心配しやすい性格のケンは、かぜが悪化する兆候はみられないにもかかわらず、かぜがバクテリア(細菌)の2次感染によつて肺炎を引き起こすのではと不安になり、医師に抗生物質を処方するように頼んだ

この医師はよく効く「抗生物質」を処方した。

ところが本当は、この医師が処方したのは抗生物質ではなく、それと外観がそつくりの砂糖錠であった。

薬の有効成分のまつたく含まれていない砂糖錠には、薬理学的な効果はまったくない。

しかし、「抗生物質」の服用を始めてから一晩たつと、効果てきめん、かぜの症状はすっかり消えた。

【サプリメントをとったベティの場合】

ハ一プの健康増進効果を強く信じているベティは、近頃、大評判の有機サプリメントを、ヘルスフード専門店で購入した。

この有機サプリメントが、体によい効果を発揮するという科学的な根拠はないにもかかわらず、摂取を始めて数週間後に、彼女は、以前よりずっと元気が出たことを実感していた。

【がんに倒れたトムの場合】

がんを発症したトムは、手術とそれに続く化学療法を受けた。

彼は、心の内なる治癒力を固く信じ、毎日、欠かさず、瞑想を実践し、なにごとにもプラス感情を持ち続けることを心がけ、かって彼を怒らせたすべての人々を心底から許すことを決意した。

そして彼は、病気になったのは不運によるもので、自分のせいではないことを理解し、自分自身を責めるのをやめた。

そうすると、気分がすっかり上向いて、人生を楽しむ余裕さえ出てきた。

彼は、手術から数年たつた今でも元気に暮らしている。

ケン、ベティ、トムに共通することがらを発見されただろうか。

もしかして読者は、「共通点は何もない」と答えるかもしれない。

しかし、わたしは、肉体の治癒を促進しようとする積極的な心、病気に挑戦する心、回復への希望が3人の共通点であると指摘したい。

彼らの場合のように、砂糖錠を服用した患者の容態が著しく改善される、あるいは、がんが瞑想で治癒するというのは、科学では説明がつかない。

こうした患者の応答を「プラシーボ応答」と呼んでいる。

患者の症状が科学で説明できないほど症状が劇的に改善するプラシーボ応答は、人体が、わたしたちを取り巻く環境から特別なメッセージ(またはシグナル)を受け取ったときに起こる。

では、これらのメッセージによって人体に何が起こっているのか。

これまでの研究から明らかになったことを一言で表現すると、プラシーボ応答は、人体に存在する「特別の薬局」を活性化することで起こるということだ。

つまり、人体には、あらゆる病気を治癒することができる強力な物質、また、わたしたちをより健康に、そしてより元気にする多くの物質を生産する能力が備わつている。

人体がこういった物質を生産し放出することが「特別の薬局」の活性化であり、それにより劇的な自然治癒が起こるのである。

彼ら3人は、心の持ち方を、積極的、病気への挑戦、回復への希望といったプラス方向に変えることで、人体に備わる「特別の薬局」を活性化し、自然治癒力を格段に高め、自分で病気を治した。

心は、脳のはたらきによつて発生したものであるから、脳と自然治癒力や免疫力が密接に関係することは否定のしようがない。

だが、現代医学が、こう認識するようになつたのは近年のことである。






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