免疫と自然治癒力についてやさしく解説いたします。

05 免疫系ではたらく細胞たち

3章 免疫系が人体を守る

05 免疫系ではたらく細胞たち

免疫系ではたらくすべての細胞は血液にふくまれている

血液は血球(血液細胞)と血漿から構成されている。

血漿は、血液のなかの血球を除いたすべての成分で、血液の6割を占める。

血漿の主成分はタンパク質で、血液凝固因子など重要な成分がふくまれている。

すべての血球は骨髄にある幹細胞からつくられる。

幹細胞は、まだ変化していない未熟な細胞で、これが成長するにつれて、B細胞、T細胞などの血球に変化する。

このように未熟な細胞が特殊な細胞に成熟することを分化と呼んでいる。

分化によってできた血球が血液の4割を占める。

血球には、赤血球、白血球、血小板の3種類がある。

赤血球は血液成分の大部分を占めており、1マイクロリットル(マイクロリットル=IOO万分の1リットル)の血液当たり500万個もある。

赤血球は、肺で酸素と結合し、酸素濃度の低い組織で酸素を放出する。

簡単にいえば、赤血球は酸素の配達人である。

血小板は止血するときに重要なはたらきをしている。

白血球は免疫系のいわば主役で、がんや病原体をやっつけるはたらきがある。

血球が1000個集まれば、そのなかの1個が白血球である。

また正常なヒトの血液では1マイクロリットル当たり、5000から1万個の白血球が存在する。

もちろん白血球の数は、必要なとき、すなわち感染したときとか、白血病になったときには非常に増加する。

白血球と一ロにいっても1種類の細胞を指すのではなく、いくつもの細胞の総称である。

白血球は、大きく、顆粒球と無顆粒球に分けられる。

顆粒球は、細胞の内部に顆粒(つぶつぶ)をふくんだ白血球のことで、好中球、好酸球、好塩基球があるが、その大部分は好中球である。

好中球と好酸球は敵を飲み込み、毒性の強い活性酸素を使って敵を分解して殺す。

この活性酸素は遺伝子にダメージを与えて、変異させる原因となるから、たとえ敵を撃退しても、感染は人体にとって有害であることに変わりはない。

好塩基球は、敵を発見し、ヒスタミンを放出して炎症を発生させ、敵の侵入を全身に知らせるサイレンの役割を果たしている。

一方、無顆粒球は、細胞内に顆粒をふくまない白血球のことで、単球とリンパ球がある。

これらすべての白血球は、太い骨の内部にある骨髄という器官でつくられている。

単球は血液中では丸いが、成長してマクロファージとなり、体内のさまざまな組織に移動する。

マクロファージは、侵入してきた敵や体内で発生した異物を飲み込んで分解する。

好中球とマクロファージは敵を食べることがおもな任務であるので、両者を総称して食細胞と呼ぶ。

リンパ球のはたらき

リンパ球にはB細胞とT細胞とナチュラル牛ラー(NK)細胞の3種類がある。

B細胞の役割は人体に有害な抗原をみつけ、これを捕らえる抗体というタンパク質(イムノグロブリン)をつくることと、 敵の二度目の襲撃に対して準備しておくためのメモリー細胞になることである。

T細胞には細胞を殺すキラーT細胞と、免疫系で要の役割を果たすヘルパーT細胞、 それに活性化しすぎた免疫系を抑えるサプレッサーT細胞がある。

キラーT細胞は、敵に乗っ取られた細胞を敵もろとも殺す「殺し屋」である。

ヘルパーT細胞は免疫系のボスである。

ボスは、マクロファージやキラーT細胞を活性化し、さらにB細胞に命令して抗体をつくらせる。

サプレッサーT細胞は戦いを終了に導くストッパーである。

ナチュラルキラー細胞は文字どおり生まれついての「殺し屋」で、敵をみつけると単独で殺す。


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