免疫と自然治癒力についてやさしく解説いたします。

07

1章 脳・免疫系・内分泌系が支える自然治癒力

07 研究が進んで生命の全体像を見失う

DNAのはたらきを解明した『生物学革命』

変化の契機は、1940年代にぺニシリンやストレプトマイシンなどの抗生物質が発見されたことである。

抗生物質とは、微生物によって生産され、ヒト細胞には無害だが、ほかの微生物の成長や増殖だけを妨げる物質のことである。

ヒトには無害で病原体を選択的にやっつける抗生物質は、まるで敵をピンポイントでやっつけるハイテク爆撃機のようなものだ。

1940年以前、わが国の死亡原因の首位は、肺炎や結核などの感染症であったが、抗生物質は、これらの感染症をまたたくまに駆逐した。

事実、肺炎や結核による死者数は抗生物質の処方によって激減していった。

抗生物質の劇的な効果に人々は驚き、「魔法の弾丸」と呼んで絶賛した。

抗生物質の大成功によって病気に対する新しい仮説が生まれた。

どんな仮説かというと、感染症や炎症を治療するには、外から侵入してきた微生物をピンポイント爆撃によって体内から取り除けばよい、というものである。

これなら、免疫系もあまり考慮に入れなくてよいから単純である。

しかも、この目的にかなう抗生物質が、ぺニシリンやストレプトマイシンのあとにもどんどん発見されていった。

心のあり方を病気の治癒から切り離すようになった医学者は、しだいに、脳と免疫系は独立して運営されていると、誤った前提で研究を進めるようになった。

そして、人体を細分化して研究を進めるミクロ化によって、研究の効率が高まったのである。

これにいっそうの拍車をかけたのが、「生物学革命」である。

これは、1950年代にワトソンとクリックが、「生物の遺伝を支配する遺伝子は、実は、DNA(デオキシリボ核酸)という単純な物質である」ことを明らかにした大事件のことである。

生物学革命がきっかけとなつて、生命現象を遺伝子を中心に説明しようとする分子生物学という新しい学問が誕生した。

それまでの生物学は、動物やヒトの1個体の行動を観察していたマクロ(巨視的)なものであつたが、分子生物学は生物の研究を分子レベルのミクロ(微視的)なものに変えた。

当然、研究者の目は、ヒト個体よりも単細胞生物のバクテリア(細菌)、やがて、それよりも小さなウイルスに向けられていった。

分子レベルでの生物の研究が進み、遺伝子が細胞内でどのようにコントロールされているか、遺伝子がどのようにはたらいてタンパク質が生産されているのか、など詳しいしくみが理解されるようになった。

こうして細かい分野に分けられた生物学は、研究のスピードが飛躍的に高まり大発展をとげた。

だが、これによつて学問はミクロ化し、細分化されていき、ついには生命の全体像を見失うにいたった。

研究成果はどんどん出て論文は山のように発表されたが、生物、とりわけヒトの理解はほとんど進まなかった。

何のための研究なのかがみえなくなったのは皮肉である。

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