免疫と自然治癒力についてやさしく解説いたします。

09 ストレスは「視床下部ー脳下垂体ー副腎」軸を活性化する

4章 ストレスと自然治癒力の関係

09 ストレスは「視床下部ー脳下垂体ー副腎」軸を活性化する

コルチゾールは哺乳類の生存に不可欠なホルモン

ストレスが連続してかかると、ヒト血液中のノルアドレナリン、アドレナリン、 コルチゾールなどのストレスホルモンのレベルが高まることがわかった。

では、ストレスは、どんなしくみでこれらのホルモンを人体で放出させるのか。

ストレスは人体の2つの系を活発にする。

1つめは、ストレスに迅速に反応する自律神経系で、交感神経が興奮し、 脳内ではノルアドレナリン、副腎髄質からはアドレナリンが放出される。

アドレナリン(ノルアドレナリン)は、心臓の動きを速め、血管を収縮して血圧を高め、血液を全身にめぐらせる。

また、肝臓に作用してグルコース(ブドウ糖)を血液中に放出する。

旅行すると便秘になりやすいのは、交感神経が興奮し、腸の活動が低下するためである。

2つめは、ストレスにゆっくりと反応する「視床下部一脳下垂体一副腎」軸である。

ストレスが脳に入力されると、視床下部からCRH(副腎皮質刺激ホルモン放出因子)というホルモンが放出される。

これを受け取った脳下垂体が興奮し、ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)を放出する。

ACTHが血液の流れに乗って遠く離れた副腎にとどく。

こうして副腎皮質が刺激され、ストレスホルモンのコルチゾールを放出する。

自律神経の反応の速さに比べて、「視床下部―脳下垂体―副腎」軸の反応は実にゆっくりだ。

しかしこの重要性は、ストレスにさらされる時間が長びくほど高まっていく。

ストレスが長く続くと副腎が肥大するのは、ACTHのせいである。

このとき脳下垂体では、ACTHの生産にかかりっきりになっているため、 その他の大事なホルモンの生産がおろそかになる。

すなわち、精巣や卵巣を刺激するホルモン、成長ホルモン、毛髪の黒色色素が生産されないので、 卵巣や精巣は萎縮し、身長の伸びは止まり、髪の毛が白くなる。

それまで黒髪だったのに、事業や家庭の心配事で、急に白髪が多くなることがあるのは、 脳下垂体がACTHの生産に忙しく、他のホルモンをつくる余裕がないためである。

副腎皮質から放出されたコルチゾールは、筋肉、リンパ組織、結合組織などのタンパク質をアミノ酸に分解して肝臓に送る。

そして肝臓ではアミノ酸がダルコースに変わり、血液によって体内の弱っている箇所に送られる。

このためコルチゾールが放出されれば、リンパ球が減り、免疫力が低下する。

では、免疫力を弱体化するコルチゾールは悪いホルモンなのか。

否、決してそのようなことはない。

人体に有害な物質がホルモンとして体内でわざわざ生産されるはすがない。

もしコルチゾールがなければ、低血糖や低血圧となり、やがて血液の流れが止まって死んでしまう。

コルチゾールは、哺乳類が生きるのに欠かせないホルモンである。

たとえば、モルモットを寒いところに放置すると弱って死ぬが、コルチゾールを注射しておくと生き長らえる。






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