免疫と自然治癒力についてやさしく解説いたします。

12 ストレスが関係する病気① うつ病とアルツハイマー病

4章 ストレスと自然治癒力の関係

12 ストレスが関係する病気① うつ病とアルツハイマー病

気分を低下させ、海馬の細胞を死滅させるコルチゾール

誰でも日常生活で気分が落ち込むことがある。

気分が落ち込んだ原因が明回らかで、それさえ取り除けば、回復する。

これはうつ病ではない。

だが、原因を取り除いても気分が回復しない場合には、うつ病が疑われる。

うつ病は、強い悲しみと失望感のために、生きている喜びが感じられず、やる気がなくなり、 あらゆることに興味が持てなくなり、無気力になる精神状態をいう。

WHO(世界保健機関)の推計によると、日本人のうつ病患者は人□の4~6%である。

わが国では、約480万~720万人がうつ病に苦しんでいることになる。

ストレスが連続すると、うつ病が発生しやすくなる。

うつ病患者の血液を調べると、リンパ球幼弱化反応が低いこと、 NK細胞のはたらきが低下していることから、うつ病が免疫力を下げることが判明している。

うつ病が発生すると免疫力が弱まり、感染症やがんにかかりやすくなる。

とりわけ、NK細胞のはたらきの低下は、がんの発生につながる。

うつ病は健康の大敵なのである。

うつ病患者の免疫力が下がる理由は、ストレスによって「視床下部一脳下垂体一副腎」軸が活性化され、 ストレスホルモンであるコルチゾールが放出されるためと理解できる。

多くの研究者は、血液中のコルチゾールレベルを測定することで、特定の個人のストレスの指標としている。

ストレス度の高い「配偶者の死」や「配偶者との別れ」は、気分が滅入るから、抑うつ状態を引き起こす。

うつ病を経験したことのある人は、ない人に比べて、がんによる死亡率が高いことが、多くの研究で確認されている。

うつ病には、うつだけがあらわれる単極型と、うつと噪(気分の高揚)の両面があらわれる双極型の2種類かおる。

イギリスのブリストル大医学部のデービット・マーフィらは、50人の単極型と30人の双極型のうつ病患者の血液中のリンパ球を比べた。

すると双極型ではリンパ球が27%の減少であったが、単極型では52%も減少していた。

同じうつ病でも、うつと噪の両面があらわれるほうが、うつだけよりも免疫力の低下が少ないのである。

噪のときには、免疫力が低下しないようである。

ストレスは、免疫力を下げるばかりか、高濃度のコルチゾールを分泌させ、海馬の神経細胞を死滅させる。 海馬は、学習と記憶を担当するのに重要な箇所である。

海馬の神経細胞が死ねば、日時、場所、人の名前が覚えられず、 自分のいる場所がわからなくなったりするアルツハイマー病が発生する。

しかも海馬のダメージによって、さらに多くのコルチゾールが放出される。

高まったコルテゾールレベルによって海馬がさらにダメージを受ける。

こうして悪循環に陥る。

もっともコルチゾールレベルの高い高齢者は、もっとも海馬が小さく、もっとも大きな記憶障害に苦しむ傾向がある。

以上のことから、ストレスがうつ病とアルツハイマー病を発生させるおもな原因の1つであると結論できる。








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